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煩悩という言葉はよく耳にしますが、具体的に1つ1つが持っている意味はあまり知られていないようです。四苦八苦の語呂合わせで4×9+8×9=108の煩悩という諸説もあるようですが、実際に108
つの何があるのか1つ1つ見ていってみましょう。 |
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まず、108つの煩悩(心の働き)は大きく2種類に分かれます。98の根本煩悩(こんぽんぼんのう)と、10の枝末煩悩(しまつぼんのう)です。
図のようなイメージです。 |
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煩悩(心の働き)の中でも、苦しみを生む大本といわれるのが根本煩悩です。
私達が悩んだり、もどかしい気持ちになたり、時に苦しく感じてしまう原因はこの10種類だよとお釈迦様は説かれました。 |
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@ 貪(とん) |
A瞋(しん) |
B癡 (ち) |
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もっともっとと必要以上に欲しい、手に入れたいという欲 |
腹が立ってイライラが収まらない、許せない怒り |
物事の道理が分からないがゆえの愚かな行い、愚痴や愚行 |
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以上が基本の根本煩悩となっています。ここから更に細分化され、98つになって行きます。 |
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更に、この根本煩悩は2種類に分かれます。物事の本質を理解することで打ち勝てる心の働きを見道と呼び修行(行動)することで打ち勝てる心の働きを修道と呼びます。 |
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見道には10種類全ての煩悩が含まれますが、修道には貪・瞋・痴・慢の4つのみが含まれています。
修道にのみ含まれるという事は、頭では分かっていも感情が追いつかない、理解はしているけど制御しにくいといった、無意識な部分から湧いてくる煩悩ということなのかもしれません。
例えばタバコが吸いたいという欲望、貪の煩悩が生まれたとします。タバコは身体に悪いという事は皆様、知っていることですね。
では、タバコを吸うと身体に害が出るとおもって禁する人。この人にとってタバコへの欲、貪は見道となります。知ることで断ち切れる煩悩ですね。
一方、タバコが身体に悪い事は知っている、でもやめられないなぁ〜。この人にとってタバコは修道となるわけです。知ってはいるけどやめられないのです。この場合、病院へ行って禁煙外来を受診するかもしれません。自分から行動(修行)して断ち切る煩悩となるのです。 |
根本煩悩が生まれる時に一緒に沸き起こってくる心の働きを、枝末煩悩と呼びます。枝末煩悩(しまつぼんのう)は、本来19種類ありますが、この中でも特に重い10種類だけが108つの煩悩の中に含まれています。この10種類をまとめて十纏(じゅってん)と呼びます。 |
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例えば、好きな人に愛されたいという貪の煩悩が働いたとして、その人に別の恋人がいたとします。あ〜ぁ相手の人が羨ましいという嫉の心も湧き起こるかもしれません。
イライラするという瞋の煩悩が 働いたとして、我慢が爆発す ると相手を殴ってしまうほどの 怒り、忿の心が湧き起こるかもしれません。
このように根本煩悩にまとわり 付く10の心の働きが十纏(じゅってん)です。 |
生き物は死を迎えた後、また生まれ変わるんだという教えがあり、これを輪廻(りんね)と呼びます。私達は生死を繰り返しながら3つの世界を巡っているそうです。 |
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私達の巡る世界には、欲界(よっかい)・色界(しきかい)・無色界(むしきかい)の3つがあるそうです。
欲界・・・私達の生活する世界
色界・・・魂の世界
無色界・・・精神世界
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瞋の煩悩は欲界にのみ含まれます。怒りや憎しみなどの感情はイタズラに人を傷つけてしまうだけの感情ですから、輪廻する前に早々に無くしなさいということなのかもしれません。 |
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苦集滅道とは、悩みや辛さから解放されるための4つの方法のことです。苦しみは自分の心が生むもので、心の持ちようによって物事は全く違った見え方をするよ、という教えになっています。
物事の本質を理解するように説いた教えの為、この苦集滅道は見道にのみ含まれています。 |
苦締(くたい) |
集締(じったい) |
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どうにもならない事を悩んでも解決しないんだと、知ること。 |
欲深さが集まると身を滅ぼしてしまうと、気付くこと。 |
滅締(めったい) |
道締(どうてい) |
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行いや心を変えることで、ネガティブ思考が浮かばない状態を、実現すること。 |
ネガティブ思考が浮かばない状態に至る方法、正しい言葉遣いや規則正しい生活を、実践すること。、 |
※※肉体の存在がない色界と無色界には、有身見・辺執見は存在しません。
また、戒禁取見は気持ちの要素が強いので、苦締・道締のみに含まれます。 |
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